新クリニック

2022年12月1日から、もとのにっとのクリニックの場所に新規移転します。まだまだ不備もあるかもしれませんが、診療開始できる状態となりました。

2021年3月に、仮説診療所へ引っ越しし、コロナ禍の仮設診療所での診察は、患者様にも様々なご迷惑をおかけしましたが、新クリニックは待合室も広く、感染症外来の個室も確保することができました。

スタッフ一同、これまで以上に皆様に寄り添った医療を提供できるよう、頑張って参りますので、今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

生活リズムと起立性調節障害

10月27日に学校医を務める月光原小学校で学校保健委員会があり、生活リズムについて話を少ししました。

生活リズムというと、まず、起立性調節障害を連想されることも多いと思います。こどもの不登校が増えており、約20万人の小中高生が不登校の状態と言われています。(2021年度 19万6,127人)学校に行きづらさを抱える子供たちの多くに、朝起きられないという訴えが多くあります。

起立性調節障害とは、自立神経の働きが悪くなり、起立時に身体や脳への血流が低下する病気です。症状は、朝起きづらい、朝の食欲不振、頭痛、立っていると気分が悪くなる、立ちくらみなどがあります。中学生から診断がつく子供が多く、思春期の生理的な現象とも言えます。

治療は塩分を多くとる 水分を多くとる 規則正しい生活を心がける 昇圧剤の内服薬などです。起立性調節障害があるから学校に行けないというよりは、学校に行けない子が症状を訴えるという印象があります、朝起きられない場合、何か学校の行きづらさにつながる葛藤がないか、本人や学校の話を聞くことも大切です。起立性調節障害の50~60%に不登校が合併しており、起立性調節障害の70~80%は心身症と言われています。

また、ゲームの時間が長くなり、昼夜逆転傾向になり、朝起きられない、学校行かない、昼間寝ている 夜中ゲーム、と悪循環になっていくこともあります。この場合も、対人コミュニケーションの葛藤や学校への行きづらさが先の事が多いようです。昼夜逆転を防ぐことはとても大事ですが、寝る時間を決めることは難しく、学校に行かなくてもよいから、朝起きる時間を決めよう、と提案します。ゲームの時間については家族内でのルール作りが重要です。

これらの子供たちは生まれ持った発達特性や友人関係のトラブルなど、様々な要因から悪循環に陥っています。自己肯定感を育てるため、できる事、きちんとやれている事に焦点を当て、本人の頑張りを認め、プラスの声掛けをして、周囲も協力して良い循環を作っていくことが大切なようです。